【感想】池井戸潤『陸王』 ー足袋メーカーとランナー それぞれの魂


老舗の足袋メーカーがランニングシューズ作りに挑む。池井戸潤さんの小説。2017年10月15日からTBS系列でのドラマ放送も決定しています。

埼玉県行田市にある足袋メーカー「こはぜ屋」。需要の落ち込みで先行きが見えない中、ある日所長の宮沢はスポーツ用品売り場で底の薄いランニングシューズ「ビブラムファイブフィンガーズ」に出会う。足袋作りのノウハウが活かせると考えた宮沢は新規事業としてランニングシューズ作りに取り組み始める。

その頃、箱根駅伝を沸かせた「ダイワ食品」の茂木裕人は膝の故障で苦しんでいた……

ランニングシューズ作りに関して何の知識もノウハウもない所からのスタートなので、当然上手くいきません。しかしそこは会社の新規事業としての将来もかかっているもの。周りの人たちを巻き込み、できる努力を積み重ね、少しずつ前進していきます。

ランナーの方も、結果がすべての世界。結果を出せば周りから賞賛され、手厚いサポートを受けられる一方、たとえケガであっても結果が出せない選手は冷たく見放される。孤独な世界。

選手一人一人が日々の努力を積み重ね、選手たちを支える人たちがそれぞれの役目を果たし、結果を生み出していきます。

悪者役は会社の売上がすべてと言い切る価値観の持ち主。とはいえ、それは主人公たちにも通じること。新規事業が起動に乗らなければ会社は潰れますし、ランナーも結果を出せなければ引退するしかありません。

最後に最善の結果を生み出すためにはどう仕事に取り組み、どう人通り関わり合うことが大雪か、ということを考えさせられます。

本自体は分厚いですが、一気に読み切ってしまえる程、夢中になれます。

ドラマ放送も始まるということもあり、書店で広く展開されています。ぜひ手にとって読んでみてください。


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